fc2ブログ

記事一覧

熊子天寿を全う

夜中に苦しそうに呻き声を上げていて死期が近いことは察していたが
葉摘みをしながらいろんなことを思い出していた
夕方熊子が息を引き取ったという家族からの連絡
家に帰ってからぺしゃんこにお腹が凹んだ熊子を抱きかかえる
タオルにくるんであげてりんごの箱を棺にした
畑の家のすぐわきに埋葬する
思い返せば15年ほど歳月になる
雪藪の中を一緒に歩いて剪定に行くと
歩きづらくなるとおんぶをねだる
犬のくせにだらしないなあとなでながら背中に背負う
剪定中はそばでじっと見つめている
目が合うと尻尾を振りながら喜ぶ顔が忘れられない
畑から戻るときには足が冷たいと今度は抱っこをねだる
この一連のやり取りが言葉もなしに伝わるから嬉しい
抱きかかえられるといかにも満足そうに深いため息とどや顔
人よりも表現が豊かなのだ
運搬車に乗れば助手席は熊子の席
トラクターに乗れば膝の上に席を作る熊子
毎日一緒に暮らしてきたんだもの家族同様だよな
姿は違えど魂はまた巡り合えるはず
また一緒に暮らそうな
それまでさよなら熊子
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

救世主釈迦

Author:救世主釈迦
FC2ブログへようこそ!