枝先が二股の時にもっていきたい方向へと剪定することが多かった剪定会風景
若いころそこに疑問を感じていた
自然界の植物に直線があまり存在しないのになぜ栽培になると直線を求めるのかと
枝はねじれて回転する
ずっと経過観察を繰り返してみて先に出る枝とあとから出る枝の性質がまるで違う事を感じた
先に出る枝は生殖成長をつかさどり後から出た枝は栄養成長へと向かう
二番目が先を追い越すことはよくよくあることだ
見栄えをよくするために二番目に出た枝を伸ばすと見た目は綺麗だが良果には結びつかない
枝先の処理が晩年まで影響することを知ってから枝のコントロールが理解できた
苗木の時の枝の選択の誤りは晩年まで苦労することになる
いい枝は必ず曲線を描くような気がする
それが花が咲いた後の枝でも同様
延長枝が長ければそれは切断するべきよりも真逆のけん制枝を置くことで枝先は止まる
枝先には鋏を入れるなといつも言っている
先端がホルモンの司令塔
早くとまることで生殖成長に切り替わり花芽形成にいち早く転換する
先端を詰めるという事は生殖成長への指令が遅くなり花芽が弱く出来上がる
たったこれだけのことが現場では見失われている
文字にするともっともっと長くなるがこの天候が続いて早く養水分が動けば弱小芽は
確実に霜にやられる
花芽の糖度が高ければどうにか躱せるが遅くできた花芽はひとたまりもないだろう
花芽の糖度が一度高ければ気温にして1.4度凍結温度が違うという
霜の被害はそうした違いからも影響を醸し出す
この異常気象下で生き残るための工夫は枝先から始まるような気がする
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