修行を楽しむ

マイナス9度
かげで剪定を楽しむ
吹き荒れる雪と風
気の遠くなりそう荒れた状況での剪定
倉庫での室内作業に切り替えてもいいのだが今日はあえて自分を追い込んでみる
りんごの木も耐えている
自分も同じ環境下で木に対峙することが気を同調することができるような気がして剪定に向かう
手袋はマイナス30度まで耐えうるゴムの手袋
全身防寒着で完全に寒さを防いで向かう
時折タバコを吸うためにライターを出すと凍ってしまう
こんな荒れた日でも歯がでるくらいに嬉しいのはなぜ
きっと思うように剪定ができているからかもしれない
よしよしいいぞと声をかけて感謝しながら剪定をする
ラジオは鳴っているのだが頭の中には入ってこない
集中集中集中
どМなのか逆境に強いタイプなのか
荒れるほどに向かっていきたくなる
タバコを吸っている時間数分で指先はカチカチに白くなる
足を取られながらアルミの梯子を一段一段上がっては降り上がっては降り
悟りを開くための修業に等しいと思う
やらされるのであればそれはただの苦痛なのだが
目的をもって向かうものは快楽に変わっていく
先が見えなくなるまで吹いてみろよと風雪に声を掛ける
何が何でもきょうは剪定を楽しむ
帰りにアウトランダーは真っ白に雪が張り付いて窓は全部凍っている
充実した気持ちで向かう
気の充実は何よりの良薬