開放

目覚めたときに感じた背中の軽さ
身体が軽く感じる
業界の頂を納めるということは重圧と戦うこと
それは技術であり､研究、切磋琢磨、気象災害、病害、突発的な災害
全てを受け入れて言い訳が通らない世界
りんごを栽培していくと野外のため災害のない年はほぼ見当たらない
その中で年々パワーアップした品質を出し続けることは精神的にも肉体的にも神に捧げていくような気にさえなっていく
自らを律し興奮状態に持って行ってアドレナリンを高めていく
その域が普段でないパワーを発揮している
興奮して眠れない日もある
ものすごいアドレナリン量を味わうこともある
そうでなければずっと今の位置を保てるはずもない
出来たりんごに満足点を与えれば明日はない
頂にたてて当たり前の精神哲学なんだと思う
泣き言を並べる奴らと交わる気は無い
こんな精神状態で回りに見せないようにあほでいることが今は楽だ
昨日までの緊張感がほぐれて今朝の身体の軽さを味わう
明日からまた次の目標に向けてスタートを切るつもりだ
よく飛行機から眼下に広がるりんご園を眺めると怖くなることがある
青森県には今でも二〇〇〇〇ヘクタールのりんご園がある
そこから毎年最高の物が出来てくる
その中でまた頂に登れるだろかと苦悩が始まる
生涯修行
まるで悟りを求めるための修験者だ
倉庫でりんごを箱詰め発送しながら頭の中は次の戦いの準備だ